「都会を憎む」(広島物語②)

思えば暑い夏だった
仕事を終えて帰る夜
重く湿った風が吹く
ふるさとの晩懐かしい

マンション八階我が住処
オートロックにエレベーター
見かけはいいがワンルーム
狭くて狭くて息詰まる

ベランダ越しに国道の
騒音絶えない夜の部屋
窓を開けても不快なら
エアコンつけて過ごす夜

疲労困憊休まらず
その上夜も寝苦しい
汗びっしょりで目が目が覚める
自分の体が死の臭い

だんだん苦しくなってきて
深夜徘徊フラフラと
それでも夜風が心地よく
涙流してジュース買う

マンション屋上真夜中に
一人たたずみネオン見る
このまま飛びたい衝動を
必死に押さえて座り込む

屋上からみる山の灯は
どこか似ているふるさとに
どうしていいかわからない
もう戻れない帰れない

都会の暮らしに憧れて
無理して借りたマンションを
通勤ラッシュに人混みに
ホントに疲れる住みにくい

職場にエアコン無いことや
上司が嫌いバカらしい
がまんできずに辞めたこと
後悔してもしきれない

自分は甘い甘すぎた
やっと気づいてみたものの
どうにもならない遅すぎる
先が見えないままならず

必ず明日がやってくる
苦しい明日がやってくる
やっと水曜あと三日
毎日這って生きている


あれから15年余り

あの頃この頃思い出す
夏が来るたび思い出す
それから自分を戒める
今の自分を戒める

今ここにいられること
今の仕事に就けたこと
今の生活と暮らし
家族 職場の仲間 友だち
それから今生きていられること

何もかもありがたい









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