遠い春

少しだけ春の匂いがして
それだけで嬉しかった頃
はるか遠くなった街並みに
梅の花が咲き始めた

天神様の石段も
梅が枝餅の思い出も
何もかもが懐かしくて
僕は寒さを忘れて立ち止まった

少しだけ春の気配がして
それだけでときめいた頃
はるか彼方の春の日に
二人の花が咲き始めた

瀬戸内海の優しさも
春の暮れゆく国道も
何もかもが楽しくて
僕はすべてを忘れて好きになった

遠い遠い
春の夜の夢



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