初夏の夕景

1976年
父のバイクを借りて走った 川沿いの景色が好きだった
ここちよい風と夕日の中で 初夏の匂いを楽しんでいた

1978年
帰省の汽車の窓から見えた 田んぼに水が張っていた
大学生活に慣れたころ 初めての自由に戸惑っていた

それから大人になって働き始めた
それでも5月の夕方は美しかった
仕事帰りにふと夕日を追いかけた
やがて来る雨の季節のことを考えた

二人で歩き続けたこと
夏の約束にときめいたこと
緑の雨の中にたたずんだこと
ああそれも初夏の夕景のこと










あすなろ

やっとのことで
人の痛みがわかるようになりました
それから僕は
他人(ひと)の喜びを想うようになりました

やっとのことで
命のことを考えるようになりました
それから僕は
花を摘むことさえもためらうようになりました

運命に逆らわないことが
うまく生きるコツだと気づきました
時間に遅れても 忘れ物をしても
思い通りにならなくても 裏切られても
大切なものを失っても 体が悪くなったとしても
それが僕の運命だから 何かの導きに違いなくて
きっとそうなったことが
後から良かったと思えることを確信して
それから僕は
安心して生きていけるようになりました

妬みも 嫉妬も 怒りも 恐れも
それから不安しかなかった未来さえも
なにもない なにも要らない

ただ毎日を淡々と過ごしていくことの喜びが
それだけで幸せなことだと
やっとわかることができました
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